輪島塗包丁

拭き漆仕上げとは

拭き漆仕上げとは、輪島では古くからある加工法で、木肌や木目の美しさを残しながら漆の保護力を活かすための技法。漆を薄く塗り、拭き取る。硬化したら、また塗って拭き取る。これを何度も繰り返して、木肌を水分や油分から守り、耐久性を高め、美しさを加味しています。

この葦の包丁は、緑の漆で拭き漆を施したあと、銀の高蒔絵にて葦を描きました。

輪島塗包丁

高蒔絵(たかまきえ)とは

高蒔絵とは、蒔絵の技法の一つで、ぐっと盛り上がって、立体感のある蒔絵のこと。
漆で葦を描き銀を蒔き付け固着させ、また漆で葦を描き銀を蒔き付け固着させる、を繰り返して蒔絵に厚みを持たせて仕上げます。
大変高級感のある美しい蒔絵です。

葦(良し)の図

これは、豊臣秀吉公の愛用された鞍(馬の背に掛ける乗るための道具)に描かれた図を元にデザインしたものです。
葦(あし)は、「悪し」に通じるために「良し」と転じられ、吉祥紋様として伝えられています。
縁起を担ぐ戦国武将の目にかなった縁起の良い意匠です。
葦は、夏の日差しを遮る「よしず」や「すだれ」、かやぶき屋根、そして祭礼などの松明の材料などにも用いられる古来より縁のある大変親しまれてきた植物です。
また日本の古名は「豊葦原瑞穂の国」と言い、葦が入っています。

輪島塗包丁

白極上霞とは

白極上霞は、切れ味が鋭く長年包丁製作に使用されてきた「白鋼」を熟練職人が手で鍛造し製作したもので、この輪島塗包丁に使用されています。

「霞」とは包丁の製法の一つで、2種類の鉄を組み合わせて包丁を造り上げる製法で、耐久性が高く研ぎやすいことが特徴。
そして「鍛造(たんぞう)」とは、鋼の塊を熱しながら手で叩き伸ばして行く作業のこと。温度が低いと時間がかかってしまうのですが、温度を上げすぎると鋼の組織が壊れて切れ味などの性能が落ちてしまう、という2面性を持つ作業です。子の日の職人さんは包丁の性能を最大限に引き出すため、極力低温で時間をかけて鍛造しているのです。

拭き漆仕上げ・葦(銀高蒔絵)

価格:110,000円(税別)

寸法:刃渡り20cm 厚み3mm
鞘をつけた時の長さ:37cm 高さ4cm
専用アクリルケース寸法:W6.6 H4.5 長さ38.6cm